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+・:*。浅葱色の想い。*:・+

小説「浅葱色の想い」は普通の中学生、kano,が大好きな幕末日本、新選組の小説を書くブログです。

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空蝉[2]

それは八月のある真夜中、千本通りを行く若い男と女。その足取りはどこか何かに脅え、何かから逃れようとしているようであった。

「次郎さん・・やっと二人になれるんですね・・・。」

「そうだね。」愛次郎はあぐりの手を握った。

―――蟲が鳴いている。

前方から人が歩いて来た、こんな夜遅く自分達以外に道を行く者が居るものか・・・。

愛次郎はあぐりの手をパッと離した。辺りを見回したが暗くて何も見えない。

「・・佐々木か・・・?」

「如何にも。」

刀を抜く音がした。愛次郎も刀を抜こうと柄に手をやる。

「くそっ・・・。」愛次郎は旅装をしていた。そのため、刀には柄袋がかかっていて抜けない。

男はじりじりと迫って来た。気付けば愛次郎は男の間合の中に居た。

その男は刀を顔の横へ持ち上げ、八相に構える。

「・・何で・・・。」

「次郎さんっ!」愛次郎は紅い飛沫を散らし、倒れた。即死であった。

刀とは不思議なもので、光をよく反射させる。愛次郎は死ぬ前に見た。自分を殺す者の顔を。八相に構えた刀には、佐伯又三郎の顔が映っていた。

―――カラン。又三郎は刀を捨てた。その刃は絶えること無く月の光を反射させた。

「いやぁぁぁぁぁっ・・・!」あぐりはその場に屈み込んだ。又三郎はあぐりの白い手首をぎゅっと摑む。

「・・・じっじろうさん・・じろうさん・・・。」あぐりは手首を摑む手を振りはらおうとするが男の力、無理だった。

泣きじゃくるあぐりの顔を一度、又三郎は殴る。

「助けて・・た・・すけてぇ・・・。」どんなに大きな声で助けを求めても、真夜中の千本通りは誰も通らない。

又三郎は竹藪の中へとあぐりを連れ込んだ。更に激しくあぐりは泣く。

あぐりは又三郎の手によって、無造作に寝かせられた。

「うるさい・・泣くなっ!」今度はあぐりの頬を平手で打つ。

「うっ・・う・・っ・・・じろうさぁん。」あぐりは又三郎の気に障らぬよう、怺えながら猶も泣いた。

大好きな次郎さんは多分死んだ。私だって今から、この男の手によって穢される。私の次郎さんを奪った・・其の・・其の手で。嗚呼・・・憎い・・・憎い・・憎い―――。

「いっ・・痛いっ!」声を上げたのはあぐりでなく又三郎であった。

あぐりが髪に付けていた平打を、露になった又三郎の胸に刺したのだ。

平打とは金属製の簪のことで、丈夫なため護身用として身に付ける女子が多かったとか少なかったとか。

又三郎の胸には二つ穴が開き、そこから血が滴った。

「こいつ・・っ!」又三郎はあぐりから平打を奪った。そして無理矢理あぐりの口を吸ったのだ。

「わからせてやる。」そう。この男はあぐりが好きだったのだ。

「じろうさぁぁぁんっ・・いやぁぁぁ。」今度は叫ぶあぐりも気にせず、又三郎は無我夢中で激しく抱いた。

あぐりは全く知らない男によって犯された。


清河香乃の大暴露は此処から。

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空蝉[1]

胸騒ぎがしてならなかった夏。朝目覚めると周りが騒がしい。

「あっおはよう、夏。」原田だ。この男は夏のことを『夏』と呼ぶ。

「めずらしいですね・・原田先生が朝起きているなんて。」

「余計なお世話だっつうの。俺の配下の佐々木愛次郎ってわかるだろ?アイツが見当たらなくてよ、今手分けして探してんだ。」

「ほっ本当ですかっ!?」

「あったりめぇよ。俺が嘘言ってどうすんだよ。」

「私も探します、身支度しますから待っていて・・・。」

「原田さぁん。」

「島田さんじゃねぇか、」

原田を呼んだのは監察方の島田魁だ。

「見つけたぞ、佐々木を。」

「何処に?」

「死んでいた、千本通りで。」

「間違いねぇんだな。」原田の顔は曇る。

「何で次郎さんが・・・。」頭の中が真っ白になる夏。

「兎に角、原田君は検分しに来てくれ。」

「わかった。」

島田は急ぎ足で屯所を出て行った。

「私も行って・・いいですか?」

「行きたいのか?」

「何か・・よくわかりません。」

「まぁいい。ついて来いよ。」

原田と永倉、そして夏は並んでその場へ向かった。そこには既に島田と土方が居た。血の臭いが鼻につく。

「お、来たか。」土方が手招きした。

土方と島田は佐々木の死体を見下ろしていた。

「あぁ・・・。」やはり目の前で無惨に死んでいるのは佐々木で、そこに夏は崩れた。後から後からボロボロと涙が止まらない。

「うっ・・うああんっ・・・。」静かな竹藪に夏の泣き声が響く。

「泣くなよ・・そんなに・・・。」原田がしゃがみ、夏の頭を撫でた。

「はっ・・はぁ・・い。」赤く腫れた瞼でチラリと原田の顔を見た。―――原田も泣いていた。日焼けした彼の頬を一筋の涙が濡らした。


清河お香乃ちゃんの・・日記?いや編集後記(謎)は下から!

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雷鳴[5]

「・・・佐々木・・・。ちょっとこっちへ来なさい。」眩い陽射しの中、涼しい木蔭へと手招きしたのは佐伯だった。

「佐伯先生・・何か用ですか?」

「あぁ・・そうだ。」

佐伯の名は又三郎と云い、、まだ二十四か二十五そこらで若く、沖田や斎藤と同じく副長助勤の男だ。芹沢に可愛がられている者の一人で、佐々木は厭な予感がしつつも佐伯の居る木蔭へ行くのだった。

「おぃ・・もう聞いてるかも知れないがなぁ・・・あのあぐりとか云う女、芹沢局長がとても気に入られていいるんだ。」

「はい・・聞きました。」厭な予感はこの事か、佐々木は項垂れた。

「その女とお前はどうやら恋仲のようだと聞いたのだが、それは本当か?」

「・・・・・。」下手な返事はできない。

「そう考え込むな。どうせそうなんだろう。別にあぐりを芹沢局長に渡せと言うわけではねぇ。俺はお前に知恵を授けようと思ったのさ・・・あぐりが好きなんだろ?あぐりだってお前さんが好きさ。―――――二人で逃げたらどうだ?」

「逃・・げる?」

「俺はお前達を助けてやりてぇのさ、俺だって惚れた女をやすやすと他の男に渡したくねぇよ・・・。な?考えてみろよ。」

「でも・・浪士組は・・・。」

「心配いらねぇ、後始末は俺がどうにかしてやるさ。」

「・・ありがとうございます、佐伯先生!恩に着ます。本当にありがとうございます。」佐々木は佐伯の厚情を受け、深く頭を下げた。

「あぐりに話してみるんだな。」

「はい。」もう一度頭を下げて佐々木はあぐりの家の方へとひたすら走った。いつの間にか眩い陽射しは絶え、空は雲で厚く蔽われてしまった。

「あぐりっ!」あぐりの住む家の戸の前であぐりを呼んだ愛次郎。

「次郎さん・・どうしたんですか?さぁ上がって下さい。」

「お邪魔します。」愛次郎はいつもこのような感じであぐりの家に上がるのだ。

あぐりが茶を入れて愛次郎の前へ置いた。

「どうぞお飲み下さい。」

あぐりが入れた茶を啜り少し落ち着く。

「あぐり・・君には言ってはいなかったが芹沢局長、わかるだろ?」

「はい。」

「芹沢局長があぐりの事を気に入って妾にしたいと私に言ってきた。」

「え・・・・・。」あぐりはぽかんと口を開けたまま、愛次郎の顔を見ていた。

「その話を聞き、私達に協力してくれる方がいてね・・あぐりを芹沢局長に渡さずに逃げたらどうか、と言ってくれたんだ。どう思うかい?」

「私・・私、次郎さんが好きです・・本当に好きなんです。次郎さんがそれでかまわないのなら・・私、次郎さんと居たいですっ。」

「あぐり・・・。」言葉が出ない。

泣きながら訴えるあぐりを、愛次郎は優しく抱きしめた。流石の愛次郎もまさか、あぐりがこんなに自分を思っているとは思わなかったのだ。

雨が降っていて、空はゴロゴロと唸っている。ピカリと空が光る。

「あ・・光った・・・。」

―――ゴロゴロゴロ・・ドン・・・。

「きゃあっ!」あぐりが愛次郎にしがみつく。

「怖いの?」

「はい・・今晩は誰もいないし・・。」

「いいよ。私が今晩一緒に居てあげよう。」

雷が鳴り響く夜、愛次郎とあぐりは二人だけの時間を過ごした。


清河香乃のトーキングは舌から・・じゃない、下からですよ、

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雷鳴[4]

「ある経緯で知りあった子なんだけど、彼女も私の事を想ってくれている・・・しかし芹沢局長が・・・・・。」

「芹沢局長が?」言葉を濁した佐々木へ問う。

「その子を妾にしたいと言ってきた。」

「えっ・・・!?欲張りですね・・。」

「そう思う・・遊廓にあれだけ通っているのに、それ以上何を望むんだ。」

「その通りですよ。」

「私から奪って楽しいのか?」

その時、後ろから声が聞こえてきた。その声はどんどんと迫って来た。

「・・さぁん・・・ろうさん・・次郎さぁん・・。」女子の声だ。

「あっあぐり?」

佐々木を呼んだのはあぐりと云う女子。白い肌に、すうっと通った鼻。佐々木と並んで見劣ってはいない。いやむしろ二人が並ぶことでより引き立つのだ。

この女子が佐々木の愛しい人だとすぐに分かった。

「次郎さんをあそこの辻で見つけたのですが、お話に夢中のようで・・すみません、はしたない真似をして・・・。」

「ああ、別にいいのさ。」先程まで悩んでいた佐々木の顔が笑顔になる。恐らく、あぐりには芹沢の件は話していないのだろう。

「私に何か用が有ったの?」

「いっ・・いえ・・・。次郎さんのお顔が見たくてつい・・・。」あぐりの白かった頬は赤になり、それを両手で覆って隠す。そんな一つ一つの仕種が可愛らしい女子だ。

「では、お邪魔いたしました。」夏の顔を見て、コクリと頭を下げたあぐりは小走りで元来た道を走っていった。

「どうして芹沢局長はあぐりさんの事を知っているのですか?」

「それはねぇ・・あぐりと二人で歩いていたら芹沢局長達と会ってね。局長があぐりに絡んで来たんだ。酔った局長の事だ、って思ってその場はどうにかできたんだけど、何日かして私が行水していたら局長が声をかけてきてね・・・あぐりを妾にしたいと言ってきたんだよ・・・まったく。」と頭を押さえる。

「あぐりさんにはその話・・まだしてないのですね?」

「あぁ・・・話せるわけがない。私達の仲はあぐりの親も許しているんだ、それに一人娘のあぐりを私に貰ってほしいとまで言ってくれているのに・・・。」

「ですよね・・・。」

「絶対にあぐりを芹沢に渡す様な事はしたくないんだよ・・・。」

初恋はうまくゆかぬもの・・とはこの事を云うのか。空に青白く浮かぶ月には叢雲が被さり、その光は鎖された。


お久しぶりです!清河の言い訳は此処から。

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雷鳴[3]

留吉様。拝啓、蝉の声で更に暑さを覚える今日このごろ。御変わり無く御過ごしのことと思います。そして私も汗を流しながら頑張って居ります。

最近、夏は思うのです。故郷の景色と香りを思い出すと、そこには貴方が必ず居るのです。しかし、その貴方の顔は鈍色で、思い出そうと思ってもわからなくなってしま―――。

「夏ノ進君。」

「あっ!」夏は懐にまだ墨乾かぬ文を入れた。

「手紙・・・だよね?墨が乾いていないのにしまって大丈夫だったの?」

「ええ。」

声をかけてきたのは佐々木。夏は驚いた。何故なら、物思いに留吉の事を想っていて、いきなり佐々木の声が降って来たから、留吉が自分の事を呼んだ様に思えたわけだ。佐々木と初めて喋った時から、彼の声は留吉に似ていると思っていた。

「誰に書いていたの・・内容が少し見えてしまったけど・・・好きな女子への恋文?」どうやら名前は見えていなかったらしい。もし、男への恋文と云う事が分かられては大変だ。

「そっそうなんですよ・・・。」

「やっぱり・・男だとか女だとか、年・・だって関係無く恋はするもんだよね。」

「と・・言うと次郎さんも・・・?」

「そうさ・・・私だって男だからさ。女が恋しくなるさ。」

「意外ですねぇ・・次郎さんもあの三人組と一緒なんですか。」三人組とは無論、永倉、原田、藤堂のことを指していて、一緒とは女好きのことだ。

「いや・・私は違う・・・と思っているんだ。銭で買う妓じゃない。本当に好きなんだ。」と佐々木は言うのだった。

「実はその事で君に話したい事が有って。」

「はい?私で良ければ聞きますよ。」

「そう言ってもらえると嬉しいなぁ。壁に耳あり障子に目あり・・と言うが君を信じるよ。ここだと誰が聞いているか分からない、外へ出よう。」

「はい、いいですよ。」

日の暮れた壬生の屯所を、二つの長い影法師が並んで出て行った。


清河香乃(kano,)のお話は下から。

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人相

清河香乃(kano,)

Author:清河香乃(kano,)



浅葱色の想いを執筆するのは
ワタクシ清河香乃でございます。
一応十四、数えで十五です。
歳に似合わず幕末日本大好きです。
私のことを知りたいと思ってくれた貴方。

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古めかしい物が大好きです。
最近【陰陽座】というバンドにお熱です。


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